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マンションADRのすすめ

~大阪のとあるマンションかしましおばさん井戸端会議~                                     

                      マンションADR研究所

                      マンション管理士 木 村 長 敏

Aさん  なんか最近うちのマンションいろんなことでごたごたしてきたと思えへん?

Bさん  ほんまやねえ、管理費の値上げとか、わけのわからん工事とか、203号と303号の上下階の騒音 トラブルとかねえ。この前、3号棟の我儘さんが、ペットのことで管理組合と裁判して負けて引 越ししはったらしいで。

Cさん  こんなギクシャクしたのは嫌やんなあ。何とかならんのかなあ。

Dさん  そういうたらなあ、この前、マンション管理士さんや、1級建築士さん達がうちのマンションに

    来て無料出張管理セミナー(初級編)というのをやってくれはってん。

    その中で言うてはったんやけど、今年の4月1日からADR法が施行されるんやて。

Cさん  なんやの?その「えーである方法」って?難しいのはかなわんでえー

Aさん  「えーである方法」やないがな!私もDさんと一緒に聞きに行ったんやけど、電気紙芝居みたい

    のでやってくれはったんで結構解かりやすかったよ。ADRって「オルタナーなんやら、ディスピュ

     ーなんやらの頭文字をとった」と言うてはったけど、そんなんどうでもええけど、要するに「裁

     判以外で紛争解決する制度」やて。

Dさん  ADR促進法たらいうものが、平成16年12月1日に公布されていて、それが今年の4月1日から施行されるらしいで。セミナー聞いてたらマンションの問題にふさわしい解決方法のような気がするで。

     なんでかいうたら、裁判って勝ちか負けか、白か黒か、100かゼロかいうところがあるやろ、裁判所の調停でも似た様な感じがせえへん?マンションでは、裁判の後もお互い住み続けなあか

     ん関係やんか。

     そのADR法言うのんは、「Win-Winの関係・・・双方が勝ち」を目指すねんて。

Bさん  裁判沙汰なんて大層で、私、前から嫌いやってん。あんたらとは、今仲良うやってるけど、もしあんたらと裁判になって法廷に出るやなんて想像しただけでもぞっとするわ。そうなったらもうここに住むのはいやや。ペット裁判で出て行きはった人と同じようになるのん嫌やで。

Cさん  ほんで、ADR法てどんなオードブル方法なん?

Aさん  オ、オ、オードブル???

一言で言うたら、難しい法律による裁判ではなしに、当事者での話し合い優先の解決方法

ねん。

Cさん  オー、オー、ええやん、ええやん!ほんで?ほんで?

Aさん  せわしないなあ!あんた。

     ここにセミナーで配られたビラを持ってきたから読んで見るわな。

     「紛争の解決を図るのにふさわしい手続きを選択することを容易にし、国民の権利利益の適切な実現に資することを目的に、裁判外紛争解決手続についての基本理念等を定めるとともに、民間紛争解決手続き(民間事業者が行ういわゆる調停・あっせん)の業務に関し、認証の制度を設け、併せて時効の中断等に係る特例を定めてその利用の向上を図る」やて。

     確かに、昔の暴力団らの事件屋みたいなんが調停しますてなったら嫌やけど、国がある程度認証してくれるんやったら大丈夫かな。ほんで調停・調整してくれる中立な第三者としての手続実施者(調停者・・・メディエーター)が専門知識を駆使して当事者が話し合い解決できるようにしてくれるんや。そのメディエーターとか言う人は、アメリカの調停技術やら、これまでの日本の調停技術やらいろんな調停できるような訓練をつんだ人達が担当しはるらしいで。

     なんか、ええと思えへん?

Bさん  なんか良さそうやねー、4月からスタートするの?

Dさん  セミナーの中でも言うてはったけど、ADRへの期待は大きいらしいよ。いろんな可能性はあるし、今までにない新しい方式やからしばらくやってみないと判れへん部分もあるけど、国民に期待される結果を残す民間ADR機関が自然と残るという部分があるらしいで。もめている当事者がお互いの立場の違いを理解したうえで、相手の話を良く聞き、自分も良く相手に理解してもらったうえで、問題点を二人で共同して解決して行く、そのために調停者が話し合いの支援をするということらしいよ。

Eさん  解かる気がするけど、私の主人の友達に弁護士さんがいてはって、前に実家の裁判でお世話になったんやけど、「やっぱり最後は法律的に紛争を解決せなあかん」て言うてはったで。なんぼ民間調停機関ができても弁護士さんは必要なんと違う?

Aさん  たしかにそう言う部分もあるけど、法律だけでは解決できへん争いもあるし、本人が、法律以外の部分で解決したいと思うたり、当事者がそれで前より仲良くなれるんやったら、法律以外の解決もあってもええんと違う?

B,D   そりゃーそうや、なあー、うん、うん。マンションは争いが終わった後もみなが楽しく暮らしてゆけるマンションであって欲しいもんなあ。ADR調停に最もふさわしい場面がマンション問題であるような気がするねん。

Aさん  それよりな、私がなるほどなあと思うたのは、そこから先やねん。

     現実に問題がおきた時は、いきなり裁判所ではなくて、そんな民間調停で納得づくの話し合いができたらすばらしいけど、そうなる前が一番大事じゃないかと思うねん。

     マンション管理士さんが言うてはったけど、争いが生じないようなマンションADRの実践やと思うの。

Cさん  うん、うん、うん。どー言うこと?どー言うこと?どー言うこと?

Aさん  あんた桂枝雀か!目ェーむいて鼻の穴広げて何あせってんねん!

Cさん  せやけど、早よー聞きたいやんか、前からそんな特効薬は無いかなーって思うててん。

Aさん  そのマンション管理士さんが言わはるにはな、調停における手続実施者ほど完全に調停技術を習得してへんでも、中立・公平な第三者として争いの当事者の間に立って話し合いを促進する方法はいくらでもあるんじゃないかと言うてはった。その役目ができるのが管理員さんであったり、理事長さんであったり、管理会社のフロントマンさんや顧問のマンション管理士さんだと。ほんとは、もめごとを良く知っている隣人が、あくまで中立・公平な第三者として紛争解決のための支援を行い、当事者が自分で解決するために間に立って、話し合いの促進をする役目をはたすべきだと言うてはった。そのために少しだけ、ADR技法である、アクティヴリスニング、リフレイミング、パラフレイジング、イシュー、ポジション、ニーズなんかを勉強したり、ハーバード流交渉術の基礎とか、ほかにもいっぱいあるんやけど、それらを身に着けるだけで調停者にならんでも十分争いを少なくできる。って言うてはった。

Cさん  ほら見てみーな、横文字のわけの分からん言葉が出てきたやろー。あんた、欧米かー!

Aさん  違うがなー、今すぐこんなややこしいのを判れって言うてはるのやないがなー。争いが生じるより、争いが生じへんように話し合い促進のための制度作りをして行こうと言うてはんのやがな。そのための勉強を少しずつしていって、うちのマンションでもちょっとずつでええから皆で協力して、そんな勉強をこれからして行ったらええのになーと思うたということや。争いが生じて民間調停にかけるより争いが生じないようになるほうがええと思えへんか?

Dさん  たとえばやで、修繕工事でも私ら全然知らんところで勝手に進められて、業者も勝手に決められて、修繕委員会の委員長が業者からかなりの袖の下もろうてるんちゃうかてごちゃごちゃしてるんやろ。そんなんも基本はみんながちゃんと話し合ってないからやろ?

Aさん  理事長と副理事長の対立かて理事長の強引・傲慢な管理費値上げの進め方に副理事長が怒ってるんやんか。争いの当事者だけやったら、うまく話が進めへんから、第三者的な人が必要なんやんか。

Cさん  うん、うん。「ちゅうさいは、時のうじむし」言うもんなー!

Aさん  それも言うなら「仲裁は時の氏神」やがな!あんた、ちょっと黙っててー!

Dさん  それとか、管理費滞納してる人を単に悪者扱いして、債権取立てのための裁判ばっかりしても現実に取れてへんやんか。

     そうではなしに滞納者の話を客観的によく聞いて、分割・延納とかの支払方法の確認とか、マンションを手放すことなく清算処理してゆく個人再生手続きとかをいろいろ話し合いによって解決してゆく方法を探って解決するほうがええやんか。

Aさん   そんなん聞いたらちょっとずつでもええからADR技法をマンション管理の中に採り入れて話し合い促進のために新しい制度を取り入れてゆこうと思うよね。私ら5人でもちょっとずつ始めて行かへんか。

     そのマンション管理士さんが最後に言うてはったのは、「こんな考えが普及してゆくだけで争いは少なくなって行くと思う」と言うことやけど、私もそんな気がするの。

Dさん  そらええわ。やろー、やろー。ADR研究会やねー。なんか大学のサークルみたいでかっこええなー。

Cさん  東大の学生時代を思い出すなー!

全員   誰が東大やねん!!

Bさん  マンション管理は、住人だけで頑張らなあかんと思っとたけど、知識・経験のある第三者にこんなふうに入ってもろうたら、スムーズに事が運びそうやね。ええこと聞いたわ。ウチ、今度の理事会で提案してみよっと!!

全員   ウチら皆、協力するよ!!

註 lternative(オルターナティヴ・・・他に選び得るその他の方法・手段)

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